<ご相談経緯>

A社は飲食店チェーン、コンビニ、不動産など複数の事業を営む年商20億円の会社。5年前に行った不動産の過剰投資によって大幅な含み損を抱え実態は債務超過の状態にあったが、銀行融資で資金繰りをつないでいた。

 その後、A社の異変に気づいたメインバンクが新規融資をストップしたことをきっかけに、その他の銀行も一斉に回収に転じ、資金繰りが急激に悪化。A社は銀行の約定返済を延滞し、さらに国税(消費税)とフランチャイズチェーン本部に対する買掛金も滞納してしまうという非常に厳しい状態に陥った。

<コンサルティングの内容>

既にA社は不採算店の閉鎖などで営業黒字を計上しており、債務超過解消には5年以上かかるものの営業キャッシュフローが安定していることから自主再建が期待できる状態だった。再建計画の最大のポイントは、リスケジュールの実行で今後見込まれるキャッシュフローを債権者にどう分配するかということであったが、このケースでは、国税の返済ウェイトを最大にし、残りのキャッシュフローをFC本部と銀行で残高按分(信用プロラタ)する返済案とした。

<コンサルティングの成果>

その後、社長とともに銀行や国税を訪問し、再建計画書を提出して理解を求めた。


・約2ヶ月の交渉期間を経てリスケジュールが実行され、とりあえず資金繰りの方は落ち着いた。


・A社は、その後も営業黒字を継続し、さらに銀行の協力で遊休不動産の損切り処分を進めたことで借入金を大幅に圧縮した。


・実際にはこれからが正念場であり、どれだけ早く債務超過を解消できるかがポイントになる。




(安 田  順)